242
Skip navigation

ユーゴの門弟

第32号

(平成9年10月)

天道館管長 清水 健二『かわら版』編集部

今夏ドイツのシュバルツバルトで行われた清水先生の天道流セミナーが、ユーゴスラピアの合気道専門誌に紹介されました。執筆者はューゴの門弟であるイーヴォ・ヨーヴィヴイッチ氏で、このほど写真入り記事をファクスしてきました。編集長から掲載を直接依頼されたとのことです。そこで、その内容と清水先生によるイーヴォさんの紹介を掲載します。

清水先生談…「私が最初にューゴスラビアへ指導に行ったのが17年前の1980年。その時すでに有段者であり、三十才前で指導的立場にいた彼、イーヴォ・ヨーヴォヴィッチは、それ以来ずっと天道流を慕い続けている。途中内戦に苦しめられ諸々の苦難にも負けず、今夏ドイツのシュパルツバルトで行われた天道流のセミナーに参加して来た。主体性を持ったすばらしい男である」

《シュバルツバルト・セミナー》

毎年7月初めにはシュバルツバルトでセミナーが催され、現在合気道界の第一人者の一人・清水健二師範が指導に当たっている。このセミナーは広く公開される夕イプのものではなく、参加者は天道流の会員に限られている。人気が高いため天道流だからといっても簡単に参加できるわけではない。私は17年の親交を続けている清水師範の力添えと、クラウス・クリューゲル氏(ドイツ天道流幹部でセミナーの企画責任者)の並々ならぬ好意により、査証を得てこのセミナーに出席することができた。期間は二週間で、120人が最初の一週間に稽古をする組と、次の週の組の二つに分けられた。私は特に許されて二週間を通しての参加となった。

セミナーは主に合気道の指導者や有段者を対象とした教育的な内容のもので、参加者の大半が高いレベルであることは初日にして分かり、私も満足を覚えた。1時間30分の稽古が毎日2回ずつ。清水師範の指導は今日の合気道界の第一人者の一人という評を確実に示すものであった。費やす言葉は少なく簡明で分かりやすく、参加者の大半のレベルの高さからいっても理解するのに全く問題はなかった。

このセミナーの伝統とも言われている雰囲気は私に非常に強い印象を与えた。仲の良い大家族の輪の中の一員になっているとでも言おうか。そうした場で一緒に稽古をし、交友を深めることで大変な満足感を得ることができた。稽古が行われた場所はシュバルツバルトの丘の上のスポーツセンターで、他の世界から隔離(一番近いアスファルトの舗道まで3キロ)されているが、必要な設備(稽古場、プール、寝室、食堂、サウナ等)は全て整っており、これも友好的なムードの醸成に役立った。

清水師範はわが国の合気道の現状に大変な興味を示され、私たちは自由時間の大部分を一緒に語り合うことで過ごした。私と同室になったフランス人の好青年、パスカル・オリビエ君(合気道を続けながら滞日経験10年)もこれに加わった。彼は完壁な英語と日本語を話し、私と清水師範の会話を助けてくれた。清水師範から私に与えられた宿題は、1998年春にベオグラードでセミナーを組織することである。このセミナーは特定の連盟、団体に参加者を限定しない開かれたものになるであろう。ユーゴスラビア全土の大半のクラブには既にこのセミナーを通知している。

――『YUーAIKIDO』9月号から――